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サグアロ国立公園はツーソン郊外にある。 サグアロという巨大なサボテンが自生する区域だ。 サグアロ国立公園には西エリアと東エリアがあり、西エリアの方が規模は小さいが24時間オープンしていてサボテンの林立する荒野に沈む夕陽を見ることが出来る。 私たちも夕陽を目当てに西エリアを目指した。 大まかな地図を頼りにハイウェイを降りたがあたりは砂漠が広がるばかり。 道を間違えたかと不安になってきた頃、国立公園への小さな標識を見つけた。 あまりに地味な看板と相変わらずの景色。 あまり期待せずに公園へ車を乗り入れた。 しかし、車を走らせるうちに、砂漠としか見えなかった景色の中にぽつり、ぽつりとサボテンのかげが見え始め、あっという間に道の両脇は巨大なサボテンの林となった。 公園の中には未舗装のドライブ・コースがあり、その細い道に入っていくと美しくワイルドな世界に飲み込まれる。 道には野ウサギや小鳥が無防備に飛び出してくるので徐行で車を走らせた。 |
道路脇の野ウサギは騒々しいよそ者を 横目でにらんだ。 鳥の親子は車にパニック |
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コースの所々には小さな駐車スペースがあり、そこからサボテンの間をぬって遊歩道がのびている。
車を降りサボテンの林に足を踏み入れると、巨大サボテンの足元にも様々なサボテンが色とりどりの花を付け、美しい自然を間近に感じる。 巨大なサボテン達はひとつとして同じ形のものはなく、思い思いのスタイルで腕を天に振り上げている。 陽も西に傾きかけ濃くなってきた影の中で今にも動き出しそうだ。 ”だるまさんが転んだ!”と振り向けばどうしても、さっきとは違う形に見えるサボテンもある。 にらんでみてもサボテンの方は知らんぷりだが。 |
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街灯も人気も無い公園のど真ん中で夜を迎えるのはちょっと怖いので、日没前には公園の出口近くの小高い丘に行き、そこで夕陽を眺めることにした。 そこには沢山の観光客があつまりカメラを手にそれぞれの夕陽をフィルムに残していた。 ここで、足が不自由で車椅子を使っている男性に出会った。 写真が趣味ということで、立派なカメラを三脚にセットしていた彼は、安物のカメラを持ってうろつく私にいいポジションなどをアドバイスしてくれた。 体が不自由でもこんな自然の中にはいって自分の趣味を堪能出来る。日本ではこういう事が出来るのだろうか? しかし、美しく壮大な自然を持った恵まれた国アメリカにも心を病んだ人は沢山いる。 どうしてだろう。夕陽を見ながら物思いにふけってしまった。 |
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公園の近くにオールドツーソンという所があるがこれはツーソンの地域ではない。 オールドツーソンスタジオという映画村みたいなところだ。 私たちは古い町が残っていて、しゃれたレストランなどがあるに違いないと誤解していたのでがっかりだった。 仕方なくツーソン市街に戻り、レストラン・バーで夕食にありついた。 安っぽい店だが、ここのビア・バーの品揃えはすばらしかった。冷蔵庫には世界のビールが詰め込まれ、カウンターには30種類以上の生ビールのコックが並んでいた。 バーにはコイン式(1回75¢)のビリヤード台があり、ショウちゃんの目が輝いた。 アメリカでビリヤードをするのをとても楽しみにしていたのだ。 一人で来ていた男性に誘われ3ゲームプレイした。 ショウちゃんは2ゲーム勝って、ご機嫌だった。 相手の男性はジュークボックスでプレスリーの曲をかけまくり、お気に入りの曲をBGMにゲームに挑んでいたが、ショウちゃんの意気込みには及ばなかった様だ。 なんといっても、ショウちゃんはブレイクの時キューをポケットに引っ掛けて、ズボンを破いてしまうほど張り切っていたのだから。 |
1. | 日本脱出! | 8. | ここは天国だ。サンタフェ |
2.
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アメリカ上陸 ロスサンゼルス | 9. | ネイティブアメリカンのプエブロ・タオス |
3.
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アリゾナの砂漠をツーソンへ | 10. | フォーコーナーと田舎町 |
4.
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西部劇の街・ツームストン | 11. | 猿の惑星・レイクパウエル |
5.
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巨大サボテンの林・サグアロ国立公園 | 12. | ぴかぴかのラスベガスとバス釣り |
6.
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アルバカーキでチリ三昧 | 13. | マザーロード・ルート66とバクダットカフェ |
7.
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ボーダーの街・エルパソ、ファレス | 14. | ほこりにまみれて再びサンタモニカ |
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